出そうで出んのが小方の虎

旧正月15日の「とんど」には、上・中・下の各町に分かれ、屋台に載せる飾りものを競う習慣がありました。

明治元年、下の町では、ある家の裏で数日をかけて秘密の虎を作りました。そして今年こそは他の町に負けないと勇んで表の車に載せようと運び出したところ、どうしたことか虎の首は出ても胴が門にひっかかって出ませんでした。

このことが他の二町の笑い草となり、それ以後「出そうで出んのが小方の虎じゃい」と言われるようになりました。