朝池槌五郎

朝池槌五郎は、明治に大竹に住んでいた棒術の達人です。

朝池槌五郎の晩年の頃、小川の向こう岸に渡ろうと思っていると、川の中に若者がいたので声をかけました。

「お兄さん、ちょいとあの向こうに背負うて渡してくれ」と言うと、若者は「はい」と背中を向けました。

朝池槌五郎が背中に乗ると、若者は「爺さん、あんたえらい軽いのう」と言うので、朝池槌五郎「ほいちゃあ、重とうなろうか」と気合を入れると、若者はそれから一歩も前に進むことができなくなったといいます。