阿多田島神社

盃状穴

盃状穴阿多田島神社の参道の右に、花崗岩の一枚板で作った日露戦争凱旋記念碑があります。
この石碑は、3世紀後半から7世紀後半の箱型石棺の蓋を利用したものと言われています。

裏側に大小20個程の穴(盃状穴)が開けられており、大きい穴は、直径17cm・深さ15cmもあります。

この石が記念碑に選ばれたときには、すでに穴が明けられていたもので、石碑の裏に「備中」の文字が見られることから、岡山県方面から運ばれたものと思われます。

阿多田島神社の盃状穴は、この記念碑以外にも、文化13年(1816年)献納の四脚石灯籠の台座に4個、狛犬の台座に2個彫られています。

盃状穴は、昭和55年に山口県で発見されて以来、広島県では阿多田島で見つかったのが初めてでした。

所在地  大竹市阿多田(阿多田島神社境内)
建立年   石の種類 花崗岩
高さ 90cm 横幅 105cm

 

四脚灯籠

四脚灯籠神社参道右にある四脚灯籠は竿が四本で組み合わされ美しく曲線を描いているのが特長で、市域では江戸期のものとしてはここだけです。

文化13年(1816年)子三月 大工屋平左衛門が寄進されたものと刻まれていますので、すでに200年を越えて損傷なく保存されています。

もちろん神社への奉納物として奉納されたものですが、阿多田地区では、すでに中世から漁業が盛んに行われていましたので、江戸時代に入り幕藩体制の安定と共に内海漁業の手法も益々発展し盛んになり、多くの漁船を有し港も整備されるようになり、漁を終え夕暮れ時に帰る舟に対してこの、四脚石灯籠は灯台の役割を果たしたといわれています。

現在では町並みも変わり、港も沖に向かって埋立てられましたので灯台としての役割は終わっています。地区の人たちの神社信仰の崇高さにより、台座には盃状穴が見られるなど大事に保存されています。