蛇喰磐

蛇喰磐玖島川が小瀬川に合流する地点に、広島県の天然記念物に指定されている蛇喰磐があります。

蛇喰磐は、水の浸食で大小無数のおう穴を形づくった非常に珍しい岩石群です。この地点は川の流れも緩やかで川遊びには最適で、夏には多くの子どもたちでにぎわっています。

昔、三倉岳に大蛇ケ谷と小蛇ケ谷というところがあり、大蛇と小蛇が住んでいました。

この蛇が、蛇喰磐の美しい女神に思いを寄せ、毎夜蛇喰磐に出かけていたとき、現在のこのような形になったという言い伝えが残っています。

また、おう穴の中に直径1尺(約30cm)、深さ2尺(約60cm)の「水上釜」と呼ばれている釜があります。

この釜の中の水は、どんな炎天下でも減ることがないと言われています。

そして、もし誤ってこの釜に願いをかけたりすると、たちまち風雨になると言われ、里の人は釜には近づかなかったそうです。

しかし、干ばつのときは、里の人たちが釜の水を交換し、清浄にして雨を祈ると、釜は水を好むので、たちまち雨を降らすと言われ、そのときは里の人たちは雨具を用意してお互いに水をかけあい、お酒を飲んで踊ったといいます。