この寺は、国郡誌に記載されており、油見村の人々によって古くから信仰されています。
この寺には、市域ではここだけに見られる貴重な仏像「役小角(えんのおずの)」があります。
役小角は、舒明天皇6年(634年)年に生まれ、葛城山にこもり修行、後に熊野などの諸峰で修行を重ね、修験道の開祖といわれる実在の僧です。
その姿は、袈裟をかけ頭巾を被り、高足下駄を履いて杖をつく像が多いとされており、油見の薬師堂の仏像もまさにその通りの姿です。
この薬師堂にいたる古道は、江戸時代半ばまでは、大竹の海岸線が山裾まであり、街道に出る主要な道でもありました。今もなお、生活道として利用されています。
古道の石垣は、いつの時代に築かれたのかわかりませんが、見事な石組みのまま残されています。