活動報告

「ふるさとの歴史紹介」に取り組む

この1年は、各地区の古き町並み、史跡、文化財などを積極的に紹介することを重点目標に掲げ、市内のボランティアガイドと地域の史跡や文化財などの写真を撮影し、約50コマのスライドに編集しました。そして、各地区の各種団体に呼びかけ、10月までに7回の現地説明会とスライド上映会を開催し、多くの市民の皆さんと地域学習をしてまいりました。
歩くことによって健康保持と歴史を学ぶことにより心穏やかな気持ちになると信じ、また、新年度も歴史研究とガイドテクニックを養って、現地説明会やスライド上映会で市内外の方にふるさとの歴史をお届けしたいと思います。

【ガイドコース(一日市内研修)】
1.西国街道「玖波宿」 2.亀居城跡と詩の坂道 3.小方の町並み探訪
4.長州の役大竹口の史蹟を訪ねて 5.元町界隈を歩く 6.氏神社の境内散策

【スライド上映による歴史講座】
1.木野地区「歴史・史跡探訪」 2.歴史を語る「神社参詣」 3.「玖波宿散歩」
4.油見古道 5.「亀居公園と小方の町並み」

 

秋の活動期、市域内外の多くの方々と触れ合う

市教委・生涯学習課の主催で、10月29日(木)に「放課後子ども教室」の一環として、「小方の里クラブ」と「栄四つ葉クラブ」に歴史の指導を行いました。
そして歴史研究会の茶道部の皆さん15名が茶席を用意し、子供たちに少しの礼儀を指導「お抹茶」を振る舞い、若い子どもたちと明るい話が飛び交い。老若男女共に元気をいただきながら夕暮れ迫る午後5時頃散会しました。

 

玖波地区社会福祉協議会の皆さんと「氏神参詣」を上映

玖波地区社会福祉協議会の主催で、11月5日(木)午後1時30~3時30まで、浄土宗称名寺本堂で40数名の会員の集う中で、氏神参詣を行いました。
氏神社はお願い事をたくさんして軽やかに神社を後にするのが普通のお参りですが、各地区の氏神社は多くの歴史を語ってくれる大切な場所です。境内を散策しながら種々文化財と語り合っていただくため境内をくまなく写真に収め、「氏神参詣」として約50コマ2時間のスライド上映と由緒の説明をお話しました。
多くの参加者と意見を交わし有意義な時間を過ごしました。

 

玖波小学校「総合学習のお手伝い」

大竹市立玖波小学校6年生を対象とした、総合学習の一環として、11月9日(月)に大竹市歴史研究会の河野哲男副会長の指導のもと、江戸時代京の都から32番目の宿場町として栄えた「玖波宿」を22名の児童と共に3時間歴史指導を行いました。
現在も貴重な文化財が数多く残る玖波の町並みには、江戸時代前期の「手水鉢」「寺院の喚鐘」が大切に活用されています。
また、江戸期から残る「角屋釣井」や300年の時を経て街道にその姿を見せている「鳴川の石畳」など、そして明治以降町の繁栄と共に建てられた「うだつ」「起り屋根」「つし」そして「錣屋根」など明治・大正様式の日本の建物文化財を話しながら指導し、児童たちは一生懸命記録していました。
児童たちは、学校に帰ってから、建物や石造物が今も変わらぬ雰囲気を作り出している玖波の町並みについて、グループごとにテーマを掲げてまとめることにしているそうです。
児童たちのまとめに期待をしています。

 

歴史研30年連続『一泊研修』 防府~萩へと大河ドラマ「花燃ゆ」逆から学習

30年間かかすことなく続けています『一泊研修』は、本年度は11月13日(金)~14日(土)の日程で行いました。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」も終盤に入り、今回は逆から防府・長門大寧寺・そして萩をくまなく学習しました。3地区のボランティアガイドのご指導を受け、楽しい研修旅行でした。
ホテルのボーリング場では、“老兵にムチ打ち”皆さん30年ぶりにボーㇽを持った。“昔取った杵柄”は機能せず、ボールを抱え込んで投げる人、ガーターを連発して笑いこむ人、100ポイントの大台に達した人は1名だけ。その他はガーターばかりでしたが、想定外の楽しい時間を過ごしました。

 

「元町界隈」古き時代の生活の小路や多くの石造文化財を知る

大竹市歴史研究会では、11月25日(水)、会員14名が午前9時小雨の降る中、元町二丁目浄土真宗勝善寺境内に集合、「元町界隈」を6時間かけて研修をしました。
元町界隈には、手漉き和紙の盛んな地区であったことから、「井筒通り」と呼ばれる網の目のような小路が縦横に作られ、山側から小瀬川に楮の晒場へ向かう小路が今も残され、人々の生活の中に溶け込んでいます。また、この地区内では歴史を伝える石造物が多く、日本史にその名を残した著名人の書かれた筆さばきを見ることが出来ます。
大竹邨閘堰碑には、近衛忠煕・大隈重信、柔道中川保太郎先生之碑には、講道館長嘉納治五郎、大竹町・木野村合併記念碑には大蔵大臣池田勇人など。元町界隈は石造文化財巡りも楽しい歴史探訪地区の一つです。

 

頑張る地場産業「三國酢」88年の老舗ブランド

現在の様に高度な経済発展の中で、元町地区には老舗といわれる地場産業も数業種あり活き活きと生産活動をしています。歴史探訪の最後に、地場産業学習として、昭和3年に創業の「三國酢」(元町二丁目)の工場見学をしました。
三國酢の銘柄の由来は、大竹が広島県南西部に位置し、江戸時代の国の名前から「安芸国」、「周防国」、「石見国」の境になることから三国一の酢になる様に願いを込めて「三国酢」と社名をつけたという粋な暖簾を今に引き継いでいます。
お酢ができるまでの作業工程を三国酢会長さん自ら丁寧に説明していただきました。料理に合わせ研究された6種類の銘柄の生産をされていると説明を受けました。
全員が思い思い銘柄を直販で買い求め「元町界隈」の歴史探訪と工場見学を終えました。

 

大野万年青会(おおのおもとかい)3kmウォーキングと亀居城跡学習

廿日市市大野支部万年青会38名が、11月28日(土)大竹駅に10時に到着され、3kmの道程をウォーキングして、大竹市歴史研究会のボランティアガイド2名の待つ「亀居公園」に笑顔で到着されました。
亀居公園は亀居城跡として市の史跡にも指定されています。
関が原の合戦で西方の主であった毛利輝元は真新しい中国地方一の名城「広島城」を追われ、萩の寒村に減俸されました。一方、福島正則は東方に与して勲功を揚げ勝利に大きく貢献し、慶長6年3月に尾張国清州城24万石から安芸国49万8千石を拝領し、広島城に入城しました。
正則は、毛利氏への守りの城として小方に慶長8年(1603年)から5年の歳月を要し築城しましたが、完成後3年の慶長16年にはっきりとした理由は不明ながら破却されました。
しかし、今に残る築城当時のままの11台の郭(少しの形は変わっていますが)の全郭が見られる城跡は全国的にも珍しい城跡であることを説明し、その他にも「刻印」42種264個、井戸跡2ヵ所、天守閣礎石と石垣などを見学ルートに従い説明をしました。また、本丸からの広島湾西部を望めば「三県一望」の地として素晴らしい景観も見どころとして紹介しました。
亀居公園から南に下ると長州の役大竹口での戦いの傷跡「西念寺の砲弾跡」を見学し、小方公民館前にて、主催者のお言葉をいただき、またのお会いを約束して解散しました。